In Designの進化
私は元々グラフィックデザイナーだが、その中でも一番得意とするのがエディトリアルデザインだ。
エディトリアルデザインとは、簡単に云えばページもののデザイン。
書籍だったり、料理本だったりと云うかなりのページ数があるデザインが得意分野だった。
私が会社員として勤めていた頃は、当然それ以外の仕事もあり、ポスター制作やSP(セールスプロモーション)のデザイン、パッケージデザインと、ありとあらゆるタイプのデザインも担当したこともあったが、後半の方は、部署もエディトリアルデザイン担当部署に異動があり、そこで学校案内や会社案内などのページデザインを多く作ってきた。
その後、自宅でフリーで仕事をしていた時も、大概はページものが多く、ここ数年はエディトリアルと云うよりも、DTPの仕事の契約が多かった。
でも、それらの殆どはQuark XPressと云うエディターアプリを使用していた。
今、QXってどうなっているのか全く分かっていないが、家にあるQXはMac OS9対応のQX4.11で、仕事もそのバージョンでお願いされていたため、長年の間OS9が入っている、G4を処分出来ないでいる。
でも、プリンターやサーバー、外付けHDD、スキャナーは当然ながら時代の流れでOSX対応にしなければならないため、OS9からダイレクトでプリントしたり、周辺機器を使うことが出来なくなり、どうしてもプリントしたい場合は、OS9からLANで繋いでいるG5へ一端データを持って行き、そこから今度はメインMacであるMacBook Proへ移行してからでないと出来ない…と云う超面倒くさい自体になっていた。
でも実際は既にOSX状でOS9対応のみのアプリは起動出来ないので、プリントするには実はかなり至難の業だったりするのだが(苦笑)
本当はOSX対応のQXがあれば一番いいのだが、如何せんQX、高いんだよ…半端なく。
ヘタすりゃ、普通に今私がメインMacとして使っているノートよりも高性能なMacが買えちゃうぐらい高い(苦笑)
なので、取引があった、エディトリアルの仕事のクライアント先も、QXからIn Designへ移行するかしないか…と云う過渡期に入り、In Designになった場合、In Designを導入してくださいますか? と云う連絡を何度も頂いていたこともあった。
でもまぁ結局の所、In Designに移行する前に、不景気の煽りを受け契約更新したばかりだったのに破棄されてしまったのだが…。
家にあるIn DesignはOS9で動かせるVer.1.1のものしかない。
豆にアップデートしていればお金は掛からないのだが、如何せん以前はアップデートでもかなりの金額がかかっていたのと、基本的にエディトリアルの仕事はQXで充分だったので、正直、In Designは私にとっては「敵」(爆)な訳だったので、簡単に弄れればいい程度のものでしかなかった。
そもそも、QXとIn Designだったら、QXの方が何に於いてもクオリティが高いのだ。
エディトリアルは文字詰めが命だ。
文字は漢字もあれば、英文もある、ひらがな、カタカナによって、字詰めを綺麗に行わないと読みにくい。
更にフォントによっても字詰めは全てに於いて違うので、ひらがなはこの詰め具合、カタカナはこれでOKなんて簡単なことではないのだ。
昔はそれら全てを指定だけして、写植職人に写植で打って貰っていたが、時代の流れで、デザインはPCで作るようになり、写植屋と云う職業がこの世から消えてしまった。
QXは、その文字詰めの機能が大変優れていたので、In Designで同じものを作っても、結局字詰めが甘く、それを修正するにはちまちまと自分の目と手で詰めていかなければならなかったのだ。
そのQXの高機能を長年使い続けて来た自分としては、やはりIn Designの字詰めの甘さがどうにも気になっていた。
だが、OSXになり、QXが実質使えなくなった訳で。
それとQXの唯一の弱点と云うのは、Illustratorで作ったデータをEPSに保存して、配置しなければならないと云う所。
だが、In Designは同じAdobe製品なので、例えばIllustratorで作ったデータを選択してコピー、それをIn Design側でペーストで配置OKになってしまう。
「それだけ」は、In Designが唯一QXに勝っている点だった。
てな訳で、ずっとIn DesignはOS9対応のVer.1.1しかなかった訳なのだが…
先日、母校中学で学年委員をすることになり、無事先週、今年度最初の会報誌を発行することが出来た。
今号に関しては職員紹介号だったため、ページがA3サイズの両面(A4で4ページ)のデータだったので、ページ数も多くないので、Illustratorで作ってしまった。
だが、毎年一年間を通して広報委員として活動した内容を細かく残しておく必要がある。
今年に限っては初号は必ず体育祭の前に発行することが決められているのだが、ここ数年梅雨入りの関係で体育祭が順延になっていたので、今年は今までより半月近くも前倒しで体育祭を行うことになった(にも拘わらず関東は6/5に梅雨入り宣言し、6日の体育祭は土砂降りで結果的に順延になったけどね…)ので、かなりタイトなスケジュールで作らざるを得なかった。
今までよりも更にスケジュールがタイトになったため、来年以降、広報委員がこの記録を見て作業しやすいように、書類作成をしなければならない。
唯、大幅にページ数があるため、Illustratorで作るのは正直大変だ。
と云うことで、ダンナに連絡してIn DesignをDL版でインストールした。
それが昨日の午前中の話(笑)
Adobe CCは他にもAdobeのアプリ製品が多々あり、どれもDL出来るのだが、正直自分が使用しないものをDLしても、Macが重たくなる一方だったので、Photoshop、Illustrator、In Design、Acrobatのみをインストール。
その間、Jeditで文章を長々と作成。
インストールが完了したので、In Designを起動してみる。
インターフェイスも全く変わっていて「うわー、使いこなせるかな」と思ったが、how to本も全くないけど、長年QXで培ってきたので、ある程度は弄れることが出来た。
まぁ今後使用することが考えると、近い内にhow to本は一冊はあった方がいいな…とは思う。
大幅にバージョンがアップしているので、もう正直新しいアプリを弄ると云う感覚の方が近いかもしれない。
そもそも、Illustratorで作ってコピペなんてしなくても、In Design側でオブジェクトも作成出来るようになっているしね。
まぁ、デザインの仕事として使っている訳では今回はないので、取り敢えず長文を流し込んで、ちょっと見出しなどを作ったりする程度なので、完全に使いこなせない状態でも、全く問題無いのだけども(笑)