RGB脳とCMYK脳
TwitterのTLを追っていたら、面白いブログをリンクしているのがあったので、自分はどっちかと云うのを考えてみた。
ま、考えなくとも私の脳はCMYK脳だけどね。
ダンナはどっちだろう。
昔は確実にCMYK脳だっただろうけど、もしかしたら今はRGB脳になっているかもしれない…(笑)
「赤い? 紅い?」と云うタイトルが付けられたこのブログのauthorは、色校正職人さん。
そもそも色校正って何? って話になるんだろう。
色校正って、印刷物を作るにあたって、最終的に部数を刷る前に、色味が可笑しくないかとか、ゴミがないかとか、そういうのをデザイナーが指示して、それをその指示通りに印刷して欲しいための校正のこと。
(大概この段階で文字校もするので、文字の修正も当然行われるのだが…)
そもそもCMYKとRGBの違いが分かっている人が一般的にどれ程のものなのか自分では理解し難いが、パソコンが急激に普及して、デザインの仕事も手作業からMacでするのが主流になった今、デザイナーの中でもRGB脳の人って多いのかも…とちょっと思った。
だって、モニターはRGBで表現されているし、画像データも基本的にはRGBだしね。
でも、印刷はCMYKの4版で刷るから、デザイナーは画像を全てCMYKに変換してデータ原稿を作って印刷所に入稿している。
CMYKよりもRGBの方が色の表現の幅があるので、例えば蛍光色なんかはCMYKでは出しにくい。
そういう場合はどうするのか…と云うと、特色と云う色を更にプラスする。
マンガのカラー原稿の場合は、4版(CMYK)にプラスするよりも、M版を蛍光ピンクに差し替えたり、Y版を蛍光オレンジに差し替えたりして、肌の色を寄り一層、ベビーピンクに近づけたりしているのだ。
印刷の手法まで話を延ばすともっと長くなるので割愛するけど、同じ色指定をしても刷る紙によって発色が変わったりもするので、紙のデザイナーは、そういうものも全て把握した上で、印刷物をデザインしなければならない。
よく、Cafeとかに行くと、メニューの行間が可笑しいって思ったり、このフォントは違うだろって思うこも屡々あるのだが、最近のCafeのメニューは画像が付いているのが定番になりつつあって、文字よりも画像の方が気になることが増えた。
だって、食べ物や飲み物の画像なのに、色味が偏ったりしているものが想像以上に多い。
赤味が強かったり、青みが強かったりするだけで、美味しそうなメニューの画像が一瞬で不味そうにしか見えない。
そういうのを目の当たりにすると、それは頼みたくなくなっちゃう(苦笑)
多分、そういうのを作った人間は、RGB脳なんじゃないかって思ったりする。
家庭内のインクジェットプリンターだって、7色とか6色とか使っているけど、基本はCMYKだ。
でも、画面のモニターはRGBな訳だから、画面上で見ている画像と、実際それをプリントしたのとでは色味が違うのは当然のこと。
実は、私のブログに載せている画像は殆どが色補正をかけた状態で載せている。
「じゃなんで暗い色の画像とかあるの? 雨の日のカートのレース画像なんか、もっと見やすく明るくすればいいじゃん」と思われるだろうが、私の補正のポリシーは、人間の目で見た自然な色に出来るだけ近づけることなので、実際暗い雨の中でレースを行ったんだから、その色で載せるべきだろう…と云うことなのだ。
でも、そのポリシーを覆すこともたまにはある。
画面上で見て、どーにも分かりにくいぐらい暗い場合は、気持ち明るめに補正したりする。
自然の色をって考えるんだったら、デジ一で撮ったものを無加工でそのまま載せればいいじゃない…と思う人も居るだろうが、実はデジ一で撮っても、色味が偏るのだ。
その上、CanonとNikonとでは、その機種色とでもいうべきか、赤味より、だったり青みよりだったり…と云うのが、カメラのメーカーによってもあるので、一慨にデジ一だからって安心はしていられないのねぇ(笑)
みんなグラフィックデザイナーってカタカナ横書きの職業は「羨ましい」とか「カッコイイ」とか云うんだけど、実際、ふたを開けてみれば、職人気質の地味〜な作業をコツコツと積み上げてする作業ばかりだったりするのであった。
今はパソコンで作業だから、まだ地味さ加減は減ったけど、昔は文字一字を詰める時だって、カッターで平行に切って、取って、糊で貼って…てちまちまちまちました作業だったもんね…(苦笑)
今思えば、あの時代を経験したから、色々と柔軟に考えられるようになったなぁって思う。
web上だけで考えるのだったらRGB脳で全然いいんだろうけど、印刷物のことを考えるのであれば、やっぱりCMYK脳でなければ(笑)