丕緒(ひしょ)の鳥
本日発売した「yom yom 6号」に掲載された、小野不由美の「十二国記」の番外編(短編集)
実に6年ぶりの十二国記なんだそうで…。
小野不由美…実は小説業界では有名な話で、ダンナさんはミステリィ作家の綾辻行人氏。
大学時代のサークルで知り合ったって話だったかなー。
小野主上(主上…まぁ十二国ファンの間では、小野氏のことをこう呼んでいるw)は、十二国記を書き始めた当初から、想像以上に人気が先立ってしまったため、ここまで沢山の作品を書く予定ではいなかったんだそうだが…(苦笑)
まぁ出版社側としては、売れる作品は続けて書いて欲しい訳で…そういう部分の葛藤とかねぇ…(苦笑)
十二国記は、ファンタジーノベルだけど、世界観が独特で壮大なるスケールの元に、かなり緻密に設定を考えた上で書かれているので、ティーン対象として当初売り出したはずなのが、ティーン以上に大人が嵌って、後日、ホワイトハート(ティーン向けレーベル)よりも先に文庫本として発売するようになってしまった…と云う逸話を持っている程だ。
人気が凄くなったので、NHKではアニメ化になったし、ゲームも発売されたりもした。
その時その時、小説の主人公が違ったりしているのだが(如何せん十二の国の話なもんで…と云っても十二国全て書かれている訳じゃないんだけどね…)元々、このシリーズ、実は別の出版社で出している「魔性の子」を書く時に時代背景など色々と細かな設定を考えて、それが面白いって話から別の出版社でシリーズとして出版されたのだが、実は、このシリーズ、未完のままで終わった状態に陥っているのが現状。
小野主上は既に書き終えた、と云う達成感? もあるようだし、他のミステリィなども書きたかったらしいし、原因不明の病気にもなって数年間、キーボードを打てない状態にも陥っていた…と色々な要素が折り組んで、中々続きが出なかった、と云う説もあるのだが、正直、もう十二国はいいだろう…と思っていたのかもしれない。
でもねぇ…未完のまま終わっちゃったらねぇ…。
まぁ大体が上下巻で、ひとつの区切りはちゃんとある作品なんだが、それでも根本的な部分か解決されていない状態のまま、既に時は6年も経ってしまった…と。
その6年間の間に、最後の最後にもうひとつだけ十二国記の作品を書き、それで今度こそ本当に十二国記のシリーズは終わらせる…と公言したのだが、今回のは番外編としての短編なので、それではなく…。
最後に出たシリーズ最新の「黄昏の岸 暁の天」の上下巻の前、「華胥の幽夢」と云うタイトルで、番外編を書いた短編集を1冊にして出したのが後にも先にもそれが最後で、「黄昏の岸 暁の天」が発売されてから既に6年。
そして、今回の短編は、何時、単行本化されるのかも未定。
そもそも、単行本に収録されるのかも未定な状態だったので、「yom yom 6号」の予告が発表になり、その中に小野主上が「十二国記の番外編の短編を書く」と書かれてあったのを見て、瞬く間にもの凄い勢いで「やっと出るぞ(番外編だけど)」とネット上でもかなり騒がれていたのは云うまでもない。
そもそも「yom yom」ってどんな雑誌なのかも良く分からないし、近所の本屋に入るのかどうかも分からないので、駅ビルの大きい店舗の本屋に予約を入れておいて、発売日の今日、朝一で早速取りに行ってきたけど、山積みになっていたよ(爆)ショッキングピンク色の表紙のパンダが(爆)
で、その山積みなワゴンには、所狭しと「小野不由美「十二国記」最新作 掲載」とデカデカとフライヤーが何枚も貼られていた。
それだけ売れるって分かっているから、出版社側も必死なんだろうな…と(苦笑)
きっと今までよりも増刷しているに違いない(苦笑)
話としては…
陽子が即位する少し前の話がメインだが、時代が前後するので、3代前の王の所まで遡ったりしているので、どの時代の部分を自分で今読んでいるのか理解するのに時間がかかり(爆)小野主上の独特の難しい漢字の使い回しをすっかり忘れていて、ルビが振られているページまで遡って確認しては、また戻って…の繰り返しで全く先に進めず(爆)
まぁそれも面白いんだけどね…(爆)
と云うことで、ザーッと読んだけど、思っていたより切なく感じる所もあったが、最後のたったひとことで、感動出来た。
そんな作品を書くことが出来るのに、何故、小野主上は出し惜しみをなされるのか…。
嘆き続けている民(爆)の声をどうかお聞きください…(笑)