双胎間輸血症候群
と云う双子の胎児の病気を、今朝の「とくダネ!」で取り上げていた。
胎児治療の最先端のことをやっていたのだが、現在日本で、胎児治療が出来るのは5カ所、6人の医師しかいない。
アメリカに比べればホント、まだまだ遅れている。
今日もたまたま、幼稚園のバスの送り出しの時、ママ友たちと話をしたのだが、帝王切開は保険が利くけど、例えば妊娠中毒症などになって治療することになったとしても実費。
子供を産むことは、病気ではないから実費って、今日日の時代でどうかと思う。
唯でさえ、少子化が進んでいると云うのに。
出産一時金だって30万しか戻ってこないけど(自治体などによって多少金額の上下はあるかも…)実際、安くみつもったって、40万以上はかかる。
30万しか戻ってこない、と云う時点で既にマイナスで、産後だってかなりお金はかかるって云うのに…。
胎児は人間として認められていないから…と云う話らしいのだが、今年の3月、最高裁で、妊娠中に交通事故に遭った妊婦が出産したら、子供に傷害が発生して、胎児は人間として認められ、賠償請求出来た…などと云うこともあったらしい(詳しくは知らないので…スンマセン)
さて、そんなことを踏まえた上で、その番組内で取り上げている胎児治療の中で「双胎間輸血症候群」と云うのがあった。
これは、双子でも一卵性双生児だけに起こる病気で、一卵性の場合、一網膜の一卵性と二網膜の一卵性とがある。
どちらも一卵性なので胎盤を共有している状態で、ひとつの羊水の中に胎児が2人入っているのか、羊水自体は別々で胎盤だけが共有されているのか…の違いだが、どちらでもこの病気は発生するようだ。
統計では、一卵性双生児の4〜5%がこの病気になっているらしい。
私は、99年11月頭に、21週と0日で、一卵性双生児を堕胎した。
堕胎と云う言葉は正直正しくはない。
分娩して摘出した…と云う方が未だ正しいかも。
陣痛促進剤を使用し、分娩台で2人の胎児を取り上げたからだ。
10月末頃、風邪気味で調子があまり良くなかったため、一日の大半を寝て過ごしていた。
自分が寝ている時は、胎動が実際にあっても、胎動を感じることは出来ない(寝ているから)
なので、胎動がないなぁ…と云う気持ちはあったものの、それは自分が大半寝ているからだろう…と思いこんでいた。
流石に、起きている時にも感じられないのでおかしい…と思い、夜、病院に連絡をして、その旨伝えたら、直ぐにこい…と、救急で病院に行き、エコーで確認して貰った所、既に2人とも死んでいる…と云うことだった。
原因は、分からずのままだった。
心拍が停まってから数日は経過している状態だ、と告げられた。
死んだら、そういう兆候が見られるらしいのだが、既にそういう兆候があり、数日経った頃の状態のようだ、と云う話だった。
別に衝撃があって…などと云うようなことが全くなかったので、何が原因か分からない状態だった。
元々、私の初めての妊娠は、この双子だったのだが、4ヶ月後半近くになるまで、一卵性双生児とは病院の先生ですら気がつかなかったのだ。
どうも発育が平均的よりも悪い…と云うことはずっと云われ続けていたが、まさか分裂して双子になっているとは…(苦笑)
そして、その関係もあったのではないか…と思うのだが、後から確認出来た子供の方が当然、最初から居る胎児よりも小さい。
ヘソの緒も細かったらしく、その2番目の胎児のヘソの緒の一部が摘まれたような潰れた状態になっていて、恐らくそこで栄養分が止まってしまい、それで2番目が死亡。
胎盤を共有している場合、一人が死ぬと、必然的に残りも死んでしまう。
例えば、これが、二網膜の一卵性で、28週を越えていた場合、緊急帝王切開で、生き残っている一人を取り出すことは可能だ。
(または、その逆でダメだった方を摘出し、残りを体内でギリギリまで育てて出産)
だが、私の場合、一網膜だったし、既に両方とも息絶えていたので、手の施しようがなかった。
普通、胎児が死んだ場合、体内では既にそれは「異物」と判断し、腹痛なり何らかのシグナルが出るらしいのだが、ちょっと調子は良くなかったものの、別に腹痛があった訳でもなかったので、気がつくのが遅かった…ということだった。
一卵性の双子の方が、二卵性よりも危険性が高い。
一卵性でも一網膜の方が二網膜よりも更に危険性が高いので、私の場合、運がなかったんだ…と云うしかなかった。
だが、今日のその特集を見た時、ダンナとも話していたのだが、双胎間輸血症候群だったのかもしれないな…と。
この病気は、胎児間で、血管を共有している部分があるのだが、その血管が何らかの原因で、止まってしまいそうすると片方には過剰に血液が流れ込み、もう片方には少なすぎて、どっちにしても両方に問題が起こる…と云うようなもの。
それが、今では体内に居る内に治療をして、両方とも救うことが出来る…と云う内容のものだった。
でも実際、全国で5カ所しか、その治療が出来る病院はないので、助かっている胎児はまだまだ少ないのだが…。
もしかしたら私の場合も、この病気だったのかもしれない。
だが、もしそうだったとしても、最先端の医療を受けられたか…と云うと、そうではなかったと思うし、気がついた時には既に遅かったので、今更、何を云ってもどうすることも出来なかったし、誰が悪い訳ではないのだけどね…。
その後、Rayをちゃんと普通分娩で生んだから、今ではこうやって普通に話せるようになったけど…(苦笑)
そう云えば、今朝のママ友の話で、出産費用は年々値上がりしているのに、出産一時金は30万って割に合わないと云う話をしていた時、どうやら今後は35万で5万引き上げられるらしい。
それが何時から施行されるのかは分からないが、実際はそれ以上かかっているのだし、国はもっと補助すべきだ…とつくづく思った。
無駄金を使う金はないはずなのに実際は使われ、負債は増える一方。
日本が住みやすい国だ、と云われたのは、もうホントに遠い昔の話だよ…
(丶´,_ゝ`)