仕事の話

2006年 4月8日

ダンナから一昨日の夜に「そろそろデザイン関係のデータを渡せるから」と云うのは聞かされていたのだが、昨日データ関係が届いた。
何時に届くか分からないし、今までの経緯を考えると「どうせ夜だろう」と踏んでいた自分。
なので、夕方辺りは電気節約(爆)のため、マシン自体を落としていたのだが、夕方にデータは届いていた。

昨日はRayが夕方から熱を出してしまったので、少しバタバタしていて、結局、夕方送られてきたデザイン関係のデータを見たのは夜遅く。

そして、ひとつひとつを確認してみた所、ギャップに躓いたことに気がついた。

相手はダンナの部下のデザイナーだが、紙媒体の自分と、ネット媒体のデザイナーとでは、常識の根底が全く違いすぎて…(苦笑)
正直、もっと早くにゼロから教えておけば良かった…と思ってしまった。
でも、何故それをしなかったか。
それは、元々ダンナが紙媒体の人間だったので、いくらページものを作ったことがないダンナでも、印刷関係の知識や入稿に関する必要事項など、当然、知っているはずなので、私からわざわざデザイナーに連絡することではなかろう…とタカを括っていたのだ(苦笑)

だが、実際、ダンナの紙媒体で培ってきた知識は風化してしまい、問題外と云うか論外だった。

今回のデザインに関する指示はかなり細かく、コンマいくつまでのサイズ指定がされている。
web媒体だと、使用するアプリは、Illustrator、Photoshop、txtエディターの他、後はhtmlを構築出来るソフトだと思うのだが、紙媒体は、その中でも更に分かれている。
私のようにページものをメインとするグラフィックデザイナーは、Illustrator、Photoshopの他にQuark XPressや、Adobeが近年、QXユーザーを引っ張りたいがために開発したIn Designを主体としている。
In Designは弄ったことはあるもののほんの少しなので、実際出来るかどうかは分からないが、IllustratorやPhotoshopは、拡大が6400%などと云う、かなり大きくまで拡大が出来るが、QXは私が使用しているバージョンでは800%までしか拡大が出来ない。
正直、最大限に拡大した状態でも、コンマいくつまでの指示でガイドラインを引いて、マスターページ(基盤となるフォーマットデザインを組む所)で作るのはかなり至難の業だ。
4.3mmとかって実際、かなり難しいよ(苦笑)
まー、結局力業じゃないが、組んだけどさ(苦笑)

そういう部分に関しても、結局の所、相手は紙媒体には全くの素人なので、分かっていない。
そして、ダンナもページものを作ったことがある、と云っても基本的にはSPしか作ったことがない人間。
当時は、Illustratorで数ページのものを作っていたが、所詮、Illustratorはページものを作るのに適したアプリではないため、作り方自体も、単一ページを作ってそれを繋げた状態。
何百ページも作ったことがないので、結局の所、ダンナも素人同然なのだ。

その辺りは、今回のことを教えればいいので、これは私の誤算でもあったな…と少々反省したのだが…。

ノンブルの指定に関しては頭を抱えた。
そんな具合で、仕事をする上での媒体が違う上、ページものを作ったことがないデザイナーが組んだデザインなので、正直、無理難題を押しつけられている(苦笑)
ページものを作る上での、基本としては、ノンブルは左右両側に入れるのが鉄則。
それからして覆された。
片側だけに入れる、と云うことはマスターページでも作ることは可能だ。
例えば、奇数だけノンブルを入れる(またはその反対)と云うことは出来るのだが、片ページだけにノンブルを「1-2」と云う具合に数字を2つ入れると云う指示を出してきた。
このデザインでは、自動でノンブルを打って貰うことが出来なくなる。
全て手動で入れていくことは可能だ。
だが、160ページぐらいあるものを全て手動で入れるのも大変なのと、一番困るだろうと思っていることは作ったデータを後から、ページの移動があった場合、自動でノンブルを打っておけば、ページ移動しても移動した新しいノンブルに自動的に変更してくれるのだが、手動だと全て自分の手で変更をしなければならない。
その場合、移動が激しい修正が起きた場合、ノンブルの見落としが出る可能性が高い。

なので、ページモノを作っているデザイナーは、ノンブルの数字に関してはオーソドックスに纏める…と云うのが鉄則になっている。

Illustratorで作るにしてもIn Designで作るにしても、このようなデザインだとノンブルは自動では無理だと思うのだが、結局の所、デザイナーは見開きだけでデザインを考えているので「何ページも続くページデザイン」と云うのが出来ないから、これもしょうがないことなのか? と途方に暮れた。
一応、そういう事情なので、と云うことで、連絡はしているのだが、週末だから、きっとこの仕事は週明けにならないと動かないだろう…(丶´,_ゝ`)
もしかしたら裏技などで、マスターページに組むことは可能なのか? と思いQXの本で確認したりネットで確認したりしたが、そういう事例は出てこない。
挙げ句、私の同僚で先輩デザイナーでもある友人あっちゃんに、休日中に申し訳ないが、問い合わせをしてみた所(彼は現在出版社でデザインページものの仕事をしているエキスパート)やはり「出来ない」と云う返答が返ってきた。

さて、問題は更に山積みで、ここまでスケジュールに大幅な変更があった。
〆切も変わっていてるはずだ(当初の予定では4月6日が入稿日だったから)
だが、最新の台割も、最新のスケジュールもこちらには全く連絡がない。
デザインに対する細かい指示は了承(出来ない部分もあるが…)した。
だが、実際、本文が左ページから始まるのか右ページから始まるのかの指示もないのに、作業を進めることは出来ない。
そういう指示が出来ていない上に、ノンブルのフォントの指定も細かくされていたのだが、使用する欧文フォントを添付もしてくれていない。
オーソドックスな欧文フォントなら家にだって何千書体と持っているので、探せばある。
だが、聞いたこともない特殊なフォントを指定してきて、フォントを添付しないのはどういうことか(苦笑)
家にある山のようなフォントの中を探したが、案の定なかった(苦笑)
家はフォント屋じゃないんだから、そちらにあってもこちらにも必ずあるとは限らないのに、そこまで頭は回らないのだろう。

これも結局の所、媒体の違いだから、と云うひとことに繋がる。
web上では、解像度の問題やフォントの種類など一切関係ない。
画面上で見られれば、一言で云えば何でもオッケーの世界だ。
だが、紙媒体は違う。
印刷屋に入稿をする上でも、アプリケーションのバージョンや、OSのバージョンだけではなく、フォントもいくらこちら側にフォントがあったとしても、印刷所がフォントを持っていなければ印刷は出来ないのだ。
欧文フォントに関しては、postscriptの1バイトフォントであれば、添付すれば、それを印刷機にインストールして貰えば印刷が出来る。
なので、ちょっと特殊な欧文フォントを使ってデザインをした場合、入稿時に必ずフォントは添付をするのだが、昨日だか一昨日だか、ダンナから「本文の明朝体を○○フォントにするから」と云ってきた。
基本として、ページものを作る場合、本文に使用するフォントはモリサワと云うフォント会社のフォントを使うのことが大半で、そのことはいくら風化したとは云え、ダンナだって知っているはずだ。
だが、ダンナが云うには「モリサワの明朝体で気に入ったのがないから他のにする」と。
別に他のにしてもいいが、家にはフォントがないよ、と云えば「こちら側から支給する」と云ってきた。
支給してくれるのはいいが、肝心の「印刷所は持っているフォントなのか?」と云う所。
実際、私はどこの印刷所を使うのかの連絡も受けていないのでどこで刷るのかも分からない。
だが、大手と呼ばれる印刷所ならあらゆるフォントを持っているだろうが、聞いたこともないような小さな印刷所だったら、1書体購入するにも何十万〜何百万するフォントを何十、何百と持っているだろうか…。
それに先ず、OS9で走られることが出来るpostscriptのフォントかどうかの確認もせず、先に「使うから」と云うことだけを決めるのも…(苦笑)

そもそも、ダンナがページものを作ったのはIllustratorで。
Illustratorでは、True Typeのフォントでもアウトラインがかけられるので、最悪、印刷所が持っていないフォントでもアウトライン化してフォント自体をオブジェクト(図形)化してしまえば簡単に印刷することが出来る。
そりゃ、12ページ程度の枚数なら全てをアウトライン化にしても問題はないだろうが、これが160ページ、全てをアウトライン化したら?
そもそもQXでアウトライン化出来るのは4以降のバージョンで、それでもタイトルなどに使用する程度で、本文にアウトラインをかけたりすれば、十中八九「postscriptエラー」が出て、印刷が出来ないだろう。

外注を出す側も外注も経験をしているのだが、特殊なフォントを使用する場合、必ず添付するのが決まり事だが、それも後の祭りだ(苦笑)

もう、頭が痛いことばかりだ。

結局、そこの辺りはダンナに説明をしたら、結果的にはモリサワフォントで本文は組むことで落ち着いたが、素人なんだからデザインを組む前に先に聞いてよ…_| ̄|○
と思うことも屡々。
勝手に考えるだけ考えるのはどうか、と思う。
知らないことだからしょうがない…と云うが、知らないのだったら、仕事をするのであれば、多少は調べるでしょう?
今は昔と違ってネットで何でも調べられる時代になったんだから、そういう最低限のことは、簡単に調べられるはず。
でもまぁ、大工に豆腐を作れって云っても土台無理な話だから、こればかりはしょうがないのかもしれないが…(苦笑)

媒体は違えど、同じデザインを仕事としている、と云う所が今回のネックだな…と感じた。
全くの素人より多少の知識がある分、厄介なのだ。

この先もまだまだ躓くことがあるに違いない。

紙の手配などは大丈夫なのだろうか。
入稿してから紙を注文するのでは間に合わないのだが…
そういう所、どうなっているのかこっちには全く降りてこないので、私は蚊帳の外で連絡を待つのみだ…。

唯一の救いが、作ったデータをダンナの会社では確認が出来ないので、当初の予定では、私が全てのページをPhotoshopに持って行き、フォントのラスタライズをした後、PDF化して見せる…と考えていたのだが、それだと、実際かなり手間がかかることは確か。
それを回避すべく、OS9が使えるMacを中古で購入してくれた。
これで少なくともダンナの会社で作ったQXデータをプリントすることが可能になったので、そこだけは感謝したい…。

でも、私が使っているマシンより高性能って所がムカツク(爆)

15:28 カテゴリー:Macintosh's Diary



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