第37回日本選手権
昨日、第37回日本選手権、一回戦の2試合を秩父宮ラグビー場に6年ぶりに観戦してきました。
今回のカードは第一試合が神鋼対大東文化大、第二試合がNEC対慶應。
当然乍、私のお目当ての試合は第二試合。尤も、来ていた観客の大半がそうだったみたいだが…。
私が足蹴く通っていた時代は、一般席というチケットの種類があって、それはバックスタンドどの場所でも自由席だったのだけど、6年も経つと色々と変わっていて今回は、B席というチケットだった。買いに行った時、もうそれしか残っていなかったのだ。
それはバックスタンド・メインスタンドのセンター4ブロック以外の自由席というチケットだ。
当然の如く、みんな14年ぶりに大学日本一になって日本選手権に出場した慶應の試合がお目当てだから早く行かなければいい席では観戦できない。
今回は1000円のB席のチケットで2試合観戦できるので、第一試合のキックオフ12時15分よりも早く行って席を確保しなければ、それは報われない。
私の考えでは遅くてもキックオフの1時間前には会場に到着していたかった。
が、その日、忘れもしない明け方3時35分にピッチが鳴り響き、もしや父の入院している病院からかも
と思い、飛び起きてピッチを手にしたものの、その時すでに遅しで、電話は切れていたのだ。
相手の番号は分からず。もし病院からだったら、先に自宅に電話するはずだし、おかしいと思いつつも、『もしも』と考え、4時ぐらいまで鳴るかもしれない電話を待っていた。
結局、イタズラか間違えみたいだったが、大体3時35分なんて、酷い時間帯に間違いやイタズラなんか
するとはかなりあくどいヤツだ。それに対してかなり怒りつつも、相手をキャッチすることが出来ないので大人しく寝たが、それがあって、寝付きが悪く、浅いため朝、思っていた時間には起きられず、結局、会場にはそれでも11時30分頃入った。
入った時はもうバックスタンドの席がある部分は満席で、係員がメインスタンド側のB席に移動するよう指示を出していたので、急いでメインに廻り、なんとか席を確保する事が出来た。
2試合分、立ち見で観るのは辛い。おまけに昨日は予報に反して曇りのうえに、気温が低くメインスタンドの上の方で観ていたので、日光が全く当たらない場所だったから、結構寒かった。
最初に試合ははっきり云ってお話にならないほど観る側としては面白くない試合だった。
89対7だかで神鋼の圧勝で、神鋼ファンには楽しかったのかもしれないが、社会人と学生の試合がここまで大差が開くと、観客はだれてくるのだ。
おまけにそうなってくると、ラグビー好きのオヤジは野次を飛し始めるので、一生懸命頑張って試合をしている選手には、はっきり云って失礼極まりない。
気持ちは分からないでもないが、選手が集中できないような野次を飛ばすのは観戦する側のマナー違反だ。これは昔からずっと起こっていたことで、何年経ってもそういう部分は改善されないなぁって実感した。
お目当てだった第二試合は、それはもう、凄い盛り上がりようだった。
選手がグラウンドに入場し始めた瞬間から、観客から「ウォーッ」という歓声が沸き上がる。
久々に体験した私は、もう居ても立っても居られない(爆)
昨秋に発売した慶應の監督である上田昭夫氏の著書の中で、14年前の学生たちと現在の学生たちの違いを綴っていて、当然乍、今の学生は昔と比べて『忍耐・根性・努力』などという昔からの体育会系を嫌い、ずっと負け続けていたこともあり、ダラダラしている部分があったとも書かれていたのだが、そこから今時の子供ならそれに合わせて組織をまとめて…と考え努力してその結果が大学日本一なのだから、相当凄いのだが、今時の子供でもやはり慶應は慶應で、グラウンドに入る時、グラウンドを去る時には、グラウンドに対して一礼をしていたところを観て、何だかとても嬉しくなってきた。
あの頃若林が卒業して、それからまた少し低迷し、第二期黄金時代に突入した頃の、キックオフを蹴る田村が蹴る前に必ずFWに対して「FWいーい?」と云ってから蹴っていたことや後半17分から1点差を守るため、猛反撃を受けながらも耐え抜いた対明治戦のことなど走馬燈のように鮮明に甦ってきて、あの頃の試合を懐かしく思っていた私です。
第一試合が終わった時、日本選手権のパンフレットを買いに、一度会場から出たのだが、その時、ついでにメイン側にあるテニスコートで、試合前にアップする選手を覗いてきた。
そこには、私がマメに通っていた時代の選手だったOBが、今度はコーチとして、選手と一緒に社会人日本一を目指している姿がそこにはあった。
私も歳を取ったんだなぁ…なんて思いながら、試合を観戦していたものだ。
前半はリードされつつ、リードしつつの展開で、観ている側としては最高の試合だった。
前半が終了した時は15対17。僅か2点差でNECがリードしていたが、後半、スタミナが切れず頑張れたら、もしかしたらもしかするかも…と思っていたが、結局は29対52で負けてしまった。
しかし、試合展開としては実に面白く、社会人相手に良く頑張ったなぁ、点差だってそんなに広がってないし、慶應ファンとしては、充実して帰ってきたと云ったところだ。
当然だが、ある時期から時間を考え、逆転出来ないと分かっていても、慶應がトライしそうになれば観客のかなりの人が興奮のあまり立ってしまうほどだった。
当然私も立ってしまっていたが(^_^;)
後半にはスローフォワード(パスを前に出してしまった反則)でトライが無効になって、残念だったが、実は15年ぐらい前にも、松永という選手がスローフォワードと判定され逆転できず苦い思いをしたことがある。それを思い出し、ついつい「どうして慶應はどこまでもスローフォワードに悩まされるかなぁ」などと独り言を云ったら、傍に居た慶應ファンの男性が「全くだ」と相づちをしていたことには笑える。
面白かったのは、前半に慶應がNECを逆転した時、ファンの人が一斉に掲示板の点数を写真に撮っていたことだ(爆)慶應が社会人相手に逆転をしたそのスコアを記念に撮っている。
気持ちは私も同じだった(爆)今度、いつそういうシーンを観れるか分からないしね…。
夜のスポーツニュースで、上田監督のインタビューがあったが、そこで彼は試合には負けたが、こんないい結果でシーズンを迎えることが出来たとに、充分満足していると語っていて、これから主要メンバーが卒業して行く中で、次のシーズンをどう責めていくかきっと彼の頭にはもう次のシーズンのことで凄い勢いで脳が働いているに違いない…と思う。
また次のシーズンも最低でも1試合は観戦したいなぁ…と思う私だった。
しかし、今回の観戦でとても頭にきたことがある。
私の後ろにいた人が、多分、現役の慶大生で、選手の誰かと知り合いなのだろう、こちらは慶應が好きで応援しに行っているのに、彼はまだ子供だな、選手と知り合いだと云うことを周囲のラグビーファンにアピールしたかったのだろうか、「○○は卒業旅行でスペインに行きたいから、このまま勝ち続けると旅行に行けなくなるから真剣に試合に勝ちたいなんて思っていないよ」
とぎゃーぎゃーとデカイ声で云っているのだ。
確かに卒業旅行は今回しかない。当然、行きたいと思っている選手が実際にいるかもしれない。
でもだからと云って、試合をしている時に、廻りは慶應を応援している大勢のファンがいる中で上記のことを云ってもいいと思う? そんなことは学校内で云いたければ云えばいいのだ。
『もう一度云ったらぶっ飛ばしてやる…』と心の中で何度思ったことか。
慶應のくせに、なんてバカな学生なんだ、と本当に心底思った。
今の学生はこれだから…と云われても文句は云えないことを平気で云っているのだ。
それだけが、本当に残念でならない…。
たった一人の慶大生が云ったことで、慶應のイメージは悪くなるのだ。
周囲にいた慶應のファンも怪訝に聞いていたようだ。
あぁ、ホントーに残念で仕方がないよ。